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10 Nov 2023
キーボードについて書いてみる。
数年前から自分は、友人から自作キーボードについて教えてもらってOLKBの Planck や Preonic というキーボードを使っている。
現在メインはplanck
12x4キーのplanckに対し、12x5になってるだけで他はほぼ一緒のpreonic。
ちょっと前までメインだった。
planckのキースイッチはサイレントタクタイルのこれに交換してから、打鍵感が非常に良い。
「キーボードなんてPC買ったらついてるやん。なんでわざわざ作るの?」という人には少し説明が必要になる。
自作にもいろいろある。
ちなみに、自分はあんまり詳しくないけど、友人に教えてもらいながら、1, 2, 3 をやった。
はんだ付けは、キーボードに付けたいデバイスがある人や、一から作りたいという趣味の人がやるのだと思う。
個人的に思った、自作するモチベーションとしてはこんな感じ。
それぞれ個別に書いていく。
僕は、ポピュラーなキーボードに対して、いくつか問題があると思っている。
指が短めの僕にとっては、広すぎて、ホームポジションをキープしたまま、端っこのほうのキーを押そうとすると小指を伸ばすことになり、ちょっと痛い。
そのせいか一時期、腱鞘炎になりそうになった。
キー配置を自由にできたら、よく使うEnterキーなどをもっと押しやすい場所に移動することで、楽になる。
ポピュラーなよくあるキーボードは、何故かRowStaggeredになっている。
行のことをRow、列のことをColumnと呼ぶとして、以下のような種類がある。
人間の指は親指と小指が短いケースが多いので、キーボードの打ちやすさに関して一番適しているのは、ColumnStaggeredだと思う。(縦にずれているレイアウト)
OthorLinearにも利点はあって、配列がシンプルで覚えやすく、美しく、コンパクトだ。
ちなみに自分の使っているplanck,preonicはOrtho-Linearのキーボードだ。
どこに何のキーがあるかほぼ記憶しているけど、記憶するのに苦労は全く無かった。
しかしRowStaggeredに機能的利点は無い。
RowStaggeredに慣れている人が多いと思うが、最初は慣れるのに苦労したはずだ。
配置も覚えにくい。
RowStaggeredが多い理由は、タイプライター時代に、その仕組み上ズラす必要があったことに起因するらしいと聞いたことがあるが、そのまま現代にも引き継がれているようだ。
つまり現代において、RowStaggeredの利点は、「慣れている人が多い」だけらしい。
フルキーボードとか、キー数の多いものは106や109キーなどまである。
デカすぎるので持ち運べないし、どうせホームポジションからは届かないので、素早く押すこともできない。
スペースキーは他のキーの何倍もの長さになっている。
自分に言わせると、これはデカすぎる。僕のキーボードのスペースキーは他のキーと同じサイズだ。
自分のplanckは12x4(48key)と、キーの数が少ないため、コンパクトだ。
(横235mm x 縦85mm x 高さ27mm)
キーが少ないということは、homeキーとか矢印キーとか、ファンクションキーとか、どうしてんの?っていう話になると思うが、この点はQMKファームウェアのレイヤーの概念によって解決できる。
自作するとキースイッチを自由に選べる。
キースイッチを変えると、打鍵感が変わったり、音の鳴り方が変わる。
青軸とかカチカチ大きな音が鳴るものや、静音赤軸という静かなものもある。
自分は、ちょっと前まで、静音赤軸というメカニカルキースイッチを使っていたが、最近、少しボコボコ音が鳴るが感触で入力されたタイミングが解る「サイレントタクタイル」というタイプのものを使っている。
やはり、感触で入力タイミングがはっきりわかるほうが、次のキーを押すべきタイミングが解りやすい。
キーマップというのはこのキーを押すと何の文字が出るか?何の効果があるか?という設定のことだ。
QMKファームウェアというものを使って、「キーマップ」を弄り倒すことで、いろんなキーを12x4の範囲におさめることもできる。
QMKファームウェアについて知らないひとは、「それにしても、12x4はさすがに少なすぎるのでは?」と思うことだろう。
自分も最初はそう思った。
しかし、キーマップには、”レイヤー”という概念があり、レイヤーを切り替えることにより、”F”や”Shift”などのキーに別の役割を持たせることができる。
あるキーをレイヤー切り替えキーにすることで、仮想的にたくさんキーがあるような状況を実現している。
あるキーを押している間だけレイヤー変更のようにすることもできるし、一回押すと次のレイヤーに切り替えとかもできる。
レイヤーを切り替えると、そのレイヤーにおける各キーを効果を設定することができる。 自分は7つのレイヤを使っている。
() [] {} '"`
← ↓ ↑ → Home End PgUp PgDown Tab Shift+Tab Del Bs
0-9+-*/=,.
とファンクションキー F1-F15
この機能により、12x4というコンパクトなキーボードでも、不足を感じない。
覚えることが増えたようにも見えるが、少ないレイヤーに詰め込むより、レイヤーを有効に使って、覚えやすい配置にしたほうが覚えやすい。
このようにレイヤーをいじり始めると、途端にキーボードが変態化していく。
参考までに、例えばこういうコードを書く必要がある。
キーキャップは、買えば交換することができる。
僕は、表面に猫の肉球の形が付いてやわらかくなっているキーキャップをESCキーに使っている。
ESCキーについては、雑に押すことが多いので、キーキャップの角に当たるとちょっと痛いという問題をこれで解決している。
あと、自分はもう一つキーキャップに関して工夫している点があり、ちょっと画像で紹介する。
この写真は、自分のplanckを左側面(ESCがある側)から撮ったもの。
4行あるうちの、一番右のキーの形に注目してもらうと、若干右側に傾いている。
通常は普通のキーボードなら、他の行と同じように、左側に傾くはずだ。
実はこれ、あえてキーキャップの前後を逆にして取り付けている。
何故こんなことをしているかというと、キーボードを打つとき、一番手前の行の両端のキーは、小指の付け根の膨らんだところ辺りで押すので、キートップの表面が若干こちらにむいていたほうが押しやすい(痛くない)からだ。
自作するとこんな変なこともできる。
これは自分はやっていないが、自作キーボードではいろんなデバイスをキーボードに内蔵させることができる。
オリジナルを作るのは大変だが、簡単にしたいなら、欲しいデバイスを搭載した自作キーボードキットを買えば良いということになる。
トラックボールや、ちょっとしたディスプレイをつけたり、いろいろと可能性を広げることができる。
見た目がいい感じになるのは楽しいので、好きな形、好きな色のキーボードを使って見ると良いと思う。
ちなみにキーボード沼という言葉がある通り、自作キーボードにハマると、多少の金と時間は飛んでいくことになる。
それだけ、いろいろやる余地があるということだろう。
キーの打鍵感のためにキースイッチを交換するのは手軽にできるが、その後、QMKファームウェアでキーマップをいじり始めたら、俺の考えた最強のキーマップというのを考え始めることになり、主に時間が吹っ飛んでいく。(でも楽しいよ)
例えば、自分はQWERTYベースのキーマップだが、これもRowStaggeredと似たようなもので、”慣れている人が多い”以外のメリットは無いらしい(むしろ、タイプライタ時代の紙詰まりを防ぐためにタイピングを遅くするための配列だったとか)ので、思い切ってDvorak配列や、他の配列にしてみるのも良いと思う。
しかし、その場合vimエディターのhjklキーとか、ゲームのwasdキーなど、QWERTY配列に依存したキー設定というのはたくさんあるので、そういうところには注意が必要だ。 ゲームをするときはレイヤーを切り替えるみたいな工夫も必要になるかもしれない。
工夫して使いやすくなったキーボードを使うのはとても満足感あるので、ぜひ試してもらいたい。
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